2024/01/27 11:09

2つに分かれた記事の1つ目です。

少し前に購入した香水や、店頭サンプルでめっちゃいい!と思って購入した芳香剤、いざ使ってみて「なんか違う…」と感じたことはないでしょうか。


また、ネットで香りを購入する場合はサンプルを嗅ぐことができません。

そのため、商品の説明書きを読んでも「いまいちどんな香りかピンと来ない、分からない…」と感じることも多いと思います。


一見全く関係なさそうなこの2つのお悩み。

実は、香りの「ノート」について知っておくと、多くの場合どちらも回避できるということをご存知でしょうか。

購入前に店員さんから「フローラルノートの優しい香りで…」「ベースノートに〇〇が使用されてて…」なんて説明され、へぇーと聞き流していた方も多いかもしれません。


ですが、その情報こそが実は大事なポイント。

購入後、店頭サンプルと違う気がする…鼻が悪いのかな?と思っている方、それで正解なのです。

今回はそんな、「なんとなくしか知らない」ノートについて解説していきますので、知識として覚えておいてくださいね!



ノートとは?

そもそも、ノートという言葉にはたくさんの意味があります。

一般的には「ノートブック」や「メモ」、動詞としては「記述する」、音楽の世界では「曲調」などを表します。

こと香りに関して用いる場合は「香調」という意味を表し、大きく分けると「香りの系統」と「香料の揮発速度」を表現する際に使用されます。


この2つを一気に説明するとかなり長くなってしまうので、今回は「香りの系統」についてご説明し、次回の記事で「香料の揮発速度」についてご説明していきたいと思います。



香りの系統を表現するノート

では、今回は香りの系統を表現するノートについて見ていきましょう!


そもそも、香りというものは言葉で表現するのがとても難しいです。

理由としては、嗅覚は人によって感じ方が若干異なり、同じ香りでも甘く感じる人もいれば酸っぱく感じる人もいるためです。

全員で同じ認識にはならず、一つの感覚として言葉を定義できないので、嗅覚で感じた感覚を直接的に表す言葉はほとんどありません…。


そのため、香りを表現する際には「甘い香り」「軽めの香り」など、他の感覚の言葉に頼って代用することがほとんどです。

ただ、そうは言っても、全員が感じたことをバラバラに表現していては、結局自分で嗅いでみるまでどんな香りになるのか分からない、ということになってしまいます。


そんな事態を避けるために使用する言葉が、香りを系統ごとに分類した「〇〇ノート」。

香りの感じ方は人それぞれではあるものの、分類されることで〇〇ノートはこんな感じの香り、という風に、自分の感覚に当てはめて香りを覚えることができるというわけです。


香りの系統をざっと一覧にするとこんな感じでしょうか。

一度は聞いたことがあるものも多いのではないでしょうか。


このノートは香水だけでなく、芳香剤など香り成分が入っているアイテム全般を分類することが可能です。

これまで先人たちが、どうにかして香りをうまく伝えたいと試行錯誤し、なんとなーく歴史の中で分類され継承されてきました。

ですので、この系統を知っておけば実際に香りを嗅がなくとも、言葉だけで感覚的に香りを想像できるようになってきます。


また、人それぞれ好みの系統は異なりますが、好きな系統の中に苦手な香りが混ざっていることは少ないように思います。

そのため、自分が好む香りがどの系統かを知っておくだけでも、香り選びの際に失敗する確率は大きく減少します。

さらには、好みの系統以外についても香りを感覚的に想像できることで、香り選びの幅が大きく広がります。


つまり、香りを嗅いだ際には、それがどの系統に属するのかも併せて確認する習慣をもつことがおすすめだと言えますね。


ただし、覚えておいてほしい注意点があります。

それは、この分類には明確な決まりやルールがない、ということ。

そのため、複数の系統に跨がる香料があったり、同じ系統に属する香料同士でも香りが少し異なる場合があります。


香料の種類は天然香料で約600種類、合成香料ではなんと3000種類を超えているとも言われています。

それだけの種類を完璧に分類するのは難しく、どうしても言葉で表現しきれない部分があるのが現状ですね…。



まとめ

今回はノートの1つ目、「香りの系統」を表現するノートについて解説しました!

言葉で表現するのが難しい、「どんな香りか」を伝えるためにうまれたものが、この1つ目のノートです。


この系統について知っておくと、実際に嗅がなくとも香りを想像できるようになってきます。

また、自分の好みの系統を知っておくことで、香り選びに失敗する可能性を減らすことができます。


生活の中で香りを嗅ぐ際は、それがどの系統の香りなのかにも意識を向け、少しずつ自分なりの感覚を身に付けていきましょう!


次回はノートの2つ目、「香料の揮発速度」を表現するノートについて解説していきます。

そちらも併せて確認してみてくださいね!

【2/2】香りをイメージできて変化も分かる!魔法の言葉「ノート」とは?